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SHOOTING BAR FIVEって何?

 

京橋に住んでいたアメリカ生まれヒップホップ育ちのボビー(31)は、日本にやってきて20年。某有名大学を卒業後、商社に就職。その後同じく日本に来ていたシンディと結婚し、順風満帆なジャパニーズライフを送っていた。

だが、数年も経てば彼の環境も変わって行く。毎日サービス残業ばかりで帰りも遅く、クタクタになって家に帰れば美しかったシンディはいつしか変わり果てた姿でテレビの前で転がりながらポテチを貪っていた。

 

 

ボビー「家と会社を往復するエブリディ・・・、もう限界だ・・・」

 

 

そんなある日、帰り道にたまたま見つけた「SHOOTING BAR FIVE」という怪しすぎるバー。

彼は何かに導かれる様に店内へと足を運んでいた。

 

カウンター奥に佇む、おおよそ飲食店で働くには相応しくない戦闘服に身を包んだ怪しすぎる男。

赤髪をなびかせ、血に飢えた瞳をギラつかせながらT字のワイパーを使い、華麗にな手捌きで窓を拭く少女。

サンドカラーの戦闘服に、その髪色が同化してしまい、もはや一人カモフラージュと化し、床に散らばる弾丸をホウキとチリトリで片付ける金髪男。

 

ボビー「ジーザス!!なんて怪しい店なんだ!!」

 

思わず叫んでしまったが、気付けばカウンターに座っていたボビー。

すると、カウンター奥の怪しい男はおもむろに一本の銃と−3℃に冷えたハイネケンをボビーの前に差し出すと、モニターから流れるエクスペンダブルズ2を見ながら怪しい男はボビーに話しかけた。

 

 

店長「よォ、アンタこの辺じゃ見ない顔だな・・・? 何か辛い事でもあったのかい?」

 

ボビー「あ、いや、あるにはあるけど・・・その前にこの銃はホワイ!?」

 

店長「男ってのは誰しも少年の心を持っているのさ・・・。アンタもそうだろ?」

 

ボビー「いや、人の話聞け!!何を言ってるんだ、危ないよ!デンジャラスよ!」

 

店長「俺もそうだ、結局頭の中は小学生のまま成長しちゃいねぇ・・・今でもうんこで大爆笑さ・・・」

 

ボビー「カッコつけて何しょうもない事言ってんだよユー!!」

 

 

そのときボビーは思った。

 

なんて怪しい店なんだろう・・・と。

 

 

だが辺りを見渡してボビーは驚く。

周りのお客の目・・・そう、みんなの目がキラキラしている事に。

老若男女問わない、すべてのお客の目が輝いている。

 

いつからだろう。

 

いつからミーのアイズからこのシャインがロストしたんだろう。

 

 

店長「ようやく気付いたようだな、ジョージ」

 

ボビー「いや、ボビーですけど」

 

店長「このバーはただのバーじゃねぇ。子供の頃に空き地に作った秘密基地そのものさ」

 

 

そうだ、周りのお客の目の輝き・・・

それはいつしか大人になって忘れてしまっていた、童心を表した物だったんだ。

 

ボビーは目に涙を浮かべてドリンクと一緒に手渡されたM92Fを手に取り、呟いた。

 

 

ボビー「恥ずかしがる事なんてナッシング・・・チャイルドの様にはしゃいで、ガンをシュートする・・・」

 

店長「そうだぜ、ついでに辛い事、悲しい事を弾丸に込めて打ち出せばいいのさマイケル」

 

ボビー「あぁ、こんなにファンタスティックな事はないよ!!あとミーはボビーです。」

 

店長「さぁ行きな!!シューティングレンジはそっちの扉です。」

 

赤髪女「ターゲットはどれにします?」

 

ボビー「3番のでお願いします。」

 

 

ボビーは日頃の鬱憤や、理不尽な世の中への不満、地球温暖化への懸念や、明日の晩ご飯の心配すべてを弾丸に込めてトリガーを引いた。

 

撃った。撃ちまくった。

人目を気にせずボビーは撃ちまくった。

 

その後ボビーは商社で異例の出世を遂げ、その仕事の早さ故、「早撃ちボビー」と同僚達に呼ばれるようになっていた。

 

そう、すべてはこのバーとの出会い。

 

そして新たなストレス解消法・・・そして何より・・・

 

 

少年の心という、誰しもが忘れていた物を思い出したから・・・

 

 

 

                      「ボビーの京橋大冒険」第2巻より抜粋

つまり結局のところ、エアガンで遊べるバーです!

 

怪しくないよ!!

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